Minimal Phone、君たちはどう使うか

-デジタルミニマリズムの壁を登れ-

皆さん、こんにちは。

いよいよAndre Youhkna氏が手掛ける「Minimal Phone」の登場が待たれる今日この頃だが、自分はしばらく考えに耽っていた。

結局、Minimal Phoneを買ってどう使うのか。

実のところ、詳細もろくに発表されていない端末についてアレコレ言うのは野暮というものだがミニマリズムを標榜したガジェットを購入するのは自身も今までにない事なので今のうちに考えている事を整理しておこうと思う。

目次

デジタルミニマリズムとは?

まずはデジタルミニマリズムについて軽く触れておこう。

デジタルミニマリズムとはざっくり言って今当たり前のようにスマートフォンやパソコンを通して一方的に入ってくるネットニュースやウェブ広告、ゲームアプリやSNSの通知、タイムラインなどといった「情報」を取捨選択または意識的に制限する考え方の一つだ。

ミニマリズムというと自分はありとあらゆる可能性を自分から排除してしまう極端な考え方が流行ってしまっているのを見て失望しかないのだが、このデジタルミニマリズムというものには一定の根拠と定義があり、デジタルリテラシーやネチケットにも通じるものがある。

意識的にデジタル端末やそういった利便性からの脱却をはかるものもあるが、基本的には普段から得ているデジタル情報を「有用な情報」と「ノイズ(騒音)」に分け、ノイズとみなしたものを排除していく事だと考えてもらって構わないだろう。

簡単なものとして何気なくインストールしているアプリをアンインストールするとか、通知をオフにしたり外出時に歩きスマホをしない、なんて事も含まれる。

結果的にスマートフォンの画面を見つめている時間(スクリーンタイム)を減らす事につながる活動全般が対象となるため、定義としては広いものになる。

Minimal Phoneの導入

ではMinimal Phoneはどうだろう。

詳細なスペックや機能などが明らかになっていない今では妄想程度しかできないとは思うが、デジタルミニマリズムに主軸を置いた端末だという事はわかっている。

普通に新しい携帯電話を買うのとは違うわけなのでわかっている情報だけでもいろいろ想像できそうだ。

E-inkディスプレイで睡眠の妨げを回避できる

なんといってもMinimal Phoneの最大の特徴はディスプレイに「E-inkディスプレイ」が採用されている事にある。

低リフレッシュレートで省電力、描画能力は液晶ディスプレイに劣りモノクロ表現のみ。

これだけでも夜中、ベッドでMinimal Phoneを長くいじくりまわす気力はわかないだろう。

カラー液晶搭載端末ならベッドに寝転がっているだけでもYoutubeで激しい光の点滅の派手な動画を何本も漁り、不眠の悪循環に陥る恐怖の心配をするところだが、これについては心配いらないだろう。

頻繁な書き換えを要求されるSNSもおそらくまともに使えたものではないはずだ。

もしかしたら見るかも…と思ってもインストールしない方がよさそうだ。

キーボードがあると画面を凝視する時間は短くできる?

E-inkディスプレイと同じくらい特徴的なのが端末下部の大部分を占める物理キーボードだ。

画面に表示されるディスプレイキーボードより物理キーボードの方が恐らく画面を凝視する時間は短くできるのではないかと予想する。

これは経験談でしかないが物理キーボードで文章を打つ時は考えながら入力する事になるので必要な情報量を入力し終えたら終わり、という一つの区切りをアクションに加える事ができる。

つまりダラダラと画面を見ている時間の全体量を減らす事につながり、スマートフォンをより生産的な活動に使おうという気になる。

画面が小さい、見づらい事は良い事?

Minimal Phoneは正方形に近い(おそらく)画面サイズを採用する事になるので、フルタッチ端末のディスプレイよりも視認性は確実に劣る。

ゲームアプリなんかはプレイできたものではないと思うし、映像配信アプリやショッピングアプリもNGになる。

スマートフォン依存を研究したデータなどでは夜中にスマートフォンを操作する人はネットショッピングで普通の人よりも約3割も余計な買い物をしてしまうという面白い結果もあるそうだ。

E-inkディスプレイはスクロールに非常に難があるのでFacebookやX(Twitter)も無理だし、Instagramすらモノクロ画面お前にはゴミアプリと化してしまう。

SoCの性能によるが、ポケットに入れたまま使えそうな音楽ストリーミングアプリかランニングやアクティビティを記録できるフィットネスアプリくらいならなんとかなりそう。

棲み分けスキルの腕が問われる

スペックや内部性能の詳細にまだまだ引っ張られる所は多いと思うが、複数台端末管理能力が非常に問われる端末となる事だろう。

特にゲームアプリやショッピングアプリをメインの端末に集約させ、Minimal Phoneはスマートフォン自体がないと困るけどメイン端末を別に持ち歩かなくてもいいシーンに使うという難易度の高い「棲み分けスキル」の高い壁となりそうだ。

個人的にはSpotifyとSTEPNくらいは動いてほしいが、物理キーボードを活かしてクイックメモ端末としてNotionを動かしたりしてみたい。

この機会にデジタルミニマリズムについて学んでみよう

Minimal Phoneのアナウンスを耳に入れ始めた時から手に取った書籍がある。

ジョージタウン大学准教授でコンピュータ科学者でもあるカル・ニューポート氏の著書「デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方」(原題:Digital Minimalism)である。

初版は2019年だが、文庫版として翻訳されて出ているのでMinimal Phoneのクラウドファンディングの募集開始のアナウンスを待っている間の暇つぶしにはうってつけだ。

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この記事を書いた人

SNSから距離を置く30代男性。
ブログに雑記を書き散らしながら日々を楽しく生きる事だけ考える。
モットーは「同年代より一つ若くいること」。

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