-起業する事は恐れる必要はないが慎重にはなれ-

      2019/04/02

-起業には様々なリスクを伴う。憧れだけではやっていけない。-

皆さん、こんにちは。

最近は個人的にですが、「事業家」や「起業」といったワードに触れる機会が多いです。
巷でも「学生起業家」とか「20代で起業する」といった言葉がカジュアルなイメージで表されることもあり、中には「起業して社長になって成功してスゴイ!…自分も起業して一山当てれば一躍有名人だ!」と考える人もゼロではないと思います。

そういう自分も親族が事業を営んでいて今すぐではないが、将来は事業を承継するかどうかを迫られる立場になると考えています。
自分自身としては承継をしたらきちんと付き合っていかなければならない訳で、時代に合わせて事業内容を変えたり、新規事業にチャレンジしたりする事もあるかもしれません。
その来たるべき時に備えて様々な情報や事例・分析・媒体に触れ、常に自分の頭だけは柔らかくしておかなければいけないのだが、自分の「起業」や「事業を起こすという事」についての個人的な考えを整理も兼ねて述べておきたいと思います。

スポンサーリンク

起業はステータスでもなんでもない

最近、大学在学中に起業とか、「起業」という言葉自体がカジュアル化してますよね。

「新しいサービスを作りたい」「新しいスタンダードを創造する」という意気込みは聞こえてくるんですけど、自分はどうにもそれに対して「素晴らしい!」と諸手を挙げて歓迎できないんですよね。
特に学生起業家などは「時間」がたくさんあり、例え無駄に使っても余りある時間を思慮に費やし、ビジネスを立ち上げるのは結構な事です。

しかし、昨今増え続ける学生・若手起業家の事を調べると意気込みは聞こえてきても、「そこにどういう志をもって起業したのか」が見えてこない。

自分自身、「起業する」という事は「事業を起こす」事であり、起業した瞬間から起こした事業を営んでいく「事業家」になるという考え方で今日まで来ているわけですが、最近「起業」という言葉が軽んじられているのではないかと思っています。

志とビジョンのある事業でないと称賛されない

実際に起業して事業を起こした時、あらゆる人から「これは素晴らしい事業だ!」と称賛を受ける事業家とそうでない事業家に分かれます。

事業というのは、起こすとそこにお金の流れが生まれるだけでなく、物や情報の流れもできるようになり、雇用も発生します。
なので、基本的にそういった流れを断ち切らないために、事業というのは長期的視野を持って生み出されるものになります。

長期的視野を持って事業が生み出されるとなれば、基本的に「儲からなければいけない」ビジネスモデルである必要があります。
なにせ利益がでなければ、将来の売上を見据えた投資はおろか、雇用している社員の給与も上げる事すらままなりません。
「利益が出なくても身を粉にしてこのビジネスを続ければいつか報われる」なんて言ってる人には誰もついてきません。

では、「称賛される事業」とはどういうものか。
それは「志とビジョンのある事業」である事は間違いないでしょう。

志とは、目的をもって何かをしようと心に決める事、信念を持って取り組む事を指し、ビジョンとはたとえば世界はこれからどうなっていくか、将来どういう世の中になるかを予測して、それに対して自分がこれから起こす事業は、その時どういう立ち位置になっているかを論じたもの。

つまり、志とビジョンを兼ね備えるという事は、事業家の心の中や社会経験に裏打ちされた社会的背景や組織的背景が一部の発端となって信念や志が生まれ、ビジョンを掲げた時にどういった形で社会に関わっていくのか、あるいは「どういった社会的課題を解決していくのか」という視点を持つ事になります。

社会的課題は1年や2年で解決できるものではなく、長期的に取り組み続ける事で、解決を目指す事が求められるのですが、長期的に取り組むという事は、社会貢献を意識しなければならないわけで、そういった「社会的課題に果敢に取り組み、社会貢献を意識しつつ、長期的な視野で取り組み続ける為に、しっかりと利益が確保できるビジネスモデルをもった事業」こそが最も称賛されるのではないかと考えます。

志・ビジョン無き事業には悪い大人しか集まらない

上記の自分の意見から鑑みると、昨今の若年層の起業が一つのブームを呼んでいるような状況を「とても良い状況」だとは到底思えないのです。

大学生をはじめ、学生はただでさえ社会経験が不足していますし、学生でも立派な志やビジョンを持った方たちはいますが、自分が見る限りそういった信念が言動や行動から読み取れるのはほんの一握りです。
学生や若い方の志や描くビジョンは未熟な部分がありながらも、社会経験がない故に鋭く社会課題に切り込んだ貴重なものが多い傾向があります。

しかし、昨今まるで「起業」が人間としてのステータスであるかのように嘯くメディアや広告、セミナーが蔓延り、自頭が良いだけに「お金の計算」だけが軸になってしまい「志・ビジョンなき事業」で「起業デビュー」しようとする方が多いように感じます。

「事業を起こす」「起業する」というのは大きなリスクを伴います。
そしていくら綿密に計画を詰めたとしても、それが100%成功するとは限りません。

そのような未知のリスクと戦いながら、成功する確率を少しでも高める為に、優秀な人材からのアドバイスや社会経験の豊富な方の意見、専門家や技術者のサポートが必要なのですが、それらの人々を惹きつけるのが事業を立ち上げる本人の魅力だけでなく、本人が持つ「志とビジョン」に他なりません。

「志とビジョン」がなければ、優秀な人たちや専門家、技術者の方々は振り向いてくれません。
彼らは事業を起こす人の「バックグラウンド」を知りたがっています。
それはその人となりを形成するに至った生い立ちであったり、社会経験そのものであったり、様々です。
それらを把握したうえでアドバイスするかどうか判断するからです。

では逆にその「志とビジョン」がないと人材を募っても集まってくるのは「悪い人たち」です。

事業を起こす以上、儲からなければいけない訳ですから「採算がとれるかどうか」は確かに重要な事です。
しかし、先ほど申し上げたように「志・ビジョンなき事業」はただの「儲け話」(必ず儲かるとは言ってない)に成り下がります。
金の匂いしかしない話には「金にしか興味のない連中」がわらわらと集まります。
人集めには苦労はしないでしょう、集まる人間の性質の悪さを考慮しないのであれば。

大人の役割は逸る若者を諌め、育て、導く事

そもそも、「起業」自体は恐れる必要はどこにもありません。
志と明確なビジョンと熱意と想いと気合と根性があれば、誰でもできます。
素晴らしい志とビジョンを示せば、その魅力に惹かれて優秀な人達からアドバイスが貰えるでしょう。
熱意と想いがあれば、その熱量に魅せられて幅広い人脈を築けるでしょう。
気合と根性で諦めずに何度も試行錯誤して持続可能な事業モデルを作り上げれば、協力してくれる人も現れるでしょう。

そのいずれが欠けてもいけないとは思いますが、一番に気を付ける事は「起業する」という手段を目的と取り違えて逸り、「志・ビジョンなき事業」に手を出さないようにする事です。

そしてそれを肝に銘じる事はこれから志とビジョンを掲げて起業を目指す学生や若者だけではなく、その若き事業家たちに手を差し伸べる大人達にこそ必要です。

「起業する事はステータスだ」という根拠のない甘言に踊らされる若き将来の事業家をいかに諌め、適切なアドバイスと支援で育て、社会課題の解決に果敢に取り組む素晴らしい事業家になる事へ導けるか、は日本の将来を占う重要な課題となってくるのではないでしょうか。

参考

【出来るだけ多くの視点で物事を判断しよう】

by カエレバ

 

iTunes検索

 - コラム -column-