SIMフリー端末 -SIM FREE-

‐長い目で見よう。”BALMUDA Phone”登場!‐

-買って使って初めてわかる事が多いが、”覚悟”が要る。-

皆さん、こんにちは。

朝晩は吐く息は白く、手もかじかむ師走の日々をいかがお過ごしでしょうか。

遂に手元に”意識高い系スマートフォン”こと「Balmuda Phone」(バルミューダ・フォン)が届きました。

事前評価はネットも含め、散々でしたが今のスマートフォン市場に求められているものとは違うベクトルのものだと思っています。

ていうか性能を追求するガジェットオタクの方々には(精神的にも物理的にも)受け付けにくい端末だと考えた方がいい、そんな端末です。

今回の「Balmuda Phone」は「中身が濃いタイプ」なので中身のレビューを中心に行っていこうと思います。

最近オープンした旗艦店「BALMUDA The Store Aoyama」にて展示された実機を触る事が可能ですが、物理的にそれが不可能な方にも参考にしてもらえればと思います。

ちなみに自分は行きましたが、カップルだらけでリア充の巣窟でしたので息が詰まって倒れる前に店舗を後にしました。

あそこは独身男が出逢いを求めてフラッと立ち寄るような場所ではない…自分はお呼びではなかったのだ…(絶望)

レビューの前に…

まずレビューする前に、今回のレビューにおいて自身の考え方の軸を決めておきます。

本製品は大仰な発表会が開催されたこともあって発表されるやいなや痛烈な批判が多数寄せられました。

自分は「面白いものが出るぞ」という野生の勘がビンビン来ていたのでどんなものが出ようと「感動のない、つまらないものを買うよりいい」と思って予約までしました。

Twitterでも「価格は10万円以上だろう」「性能に対して見合わない価格になるはずだ」といった旨のツイートもしていたので覚悟は決めていました。

そして詳細なデザインやスペックが発表された時、心の中で「やっぱり思った通りだ」とうなずきました。

いわゆる「見えている地雷」という感覚でした。

自分はデザインや発表会の様子を見て「こりゃ、一度実際に触れてみるべきだ」と考えていました。

お約束通り、スマートフォンを普段からレビューし慣れている有識者やYoutuber、ガジェットレビュアーらは本製品を痛烈に批判しましたが、彼らの批判はもっともで自分自身も批判の内容には賛同する点が多くあります。

しかし、本製品が受けている”痛烈な批判”の中には「うーん、これは…」と疑問を呈さざるを得ない表現がある事も事実です。

それが本製品が”情報弱者向け端末”と揶揄されている…という点です。

今回はその点において自分が疑問に感じる理由と現在寄せられている批判的な意見におおよそ賛同したうえで自分の意見を述べ、それを総評に含めたいと思います。

基本スペックと開封の儀

まずはサラッと基本スペックをおさらいして、とっととこのいけ好かないほど意識たっけぇ艶やかなパッケージ”を開封していくとしましょう。

基本スペック

  • 【名称】BALMUDA Phone
  • 【外寸】約69mm × 約123mm × 約13.7mm
  • 【重量】約138g
  • 【ディスプレイ】約4.9インチ
  • 【解像度】Full HD (1920x1080・454(H)x449(V)ppi)
  • 【チップセット】Qualcomm® Snapdragon™765(2.3GHz+2.2GHz+1.8GHz)
  • 【RAM容量】6GB
  • 【バッテリー容量】2500mAh
  • 【OS】Android 11
  • 【充電方式】USB PD3.0・ワイヤレス充電対応
  • 【防塵防水性能】IP4X/IPX4(いわゆる耐水程度)
  • 【対応周波数:5G】n3/n28/n77/n78
  • 【対応周波数:4G】Band 1/2/3/4/8/12/17/18/19/28/41/42
  • 【対応周波数:3G】Band 1/2/4/5/8
  • 【対応周波数:GSM】850/900/1,800/1,900MHz
  • 【カメラ性能:リア】約4,800万画素(最大記録画素数1,200万画素・F値1.8)
  • 【カメラ性能:フロント】約800万画素(F値2.0)
  • 【センサー類】指紋認証・NFC A/B・Felica対応
  • 【Wi-Fi性能】IEEE802.11 a/b/g/n/ac
  • 【Bluetooth】Ver 5.2
  • 【USB】Type-C

基本スペックについては正直、値段に対して釣り合っているとは言えません。

ここはSNS等で痛烈な批判を浴びせている方々と一致する意見です。

少し調べても、ハイエンド級のAndroidスマートフォンを触る事が当たり前になっているガジェット界隈からはよい評価が殆どないのが事実です。

なぜなら現在のスマートフォン市場に出回っているハイエンド端末はこの「BALMUDA Phone」以下の値段で有機ELディスプレイや120hz駆動、完全防水やハイエンドのチップセットの搭載を実現してるからです。

今回の「BALMUDA Phone」のスマートフォンとしてのスペックコンセプトのカギは「軽さ」と「アプリ」にあるとみていいでしょう。

AppleのiPhone13シリーズもProシリーズなどは200gを超える「重量級」としてラインナップされていますが、それを片手で支えるのは常に手に持つ道具としては厳しいものがあります。

「BALMUDA Phone」は本体の軽さと独自にカスタマイズされたアプリをコンセプトとし、高解像度&高い駆動率のディスプレイやハイエンドチップセットを採用した大手海外勢のスマートフォンとの直接競争を避け、「我が道を征く」的な攻め方をしてきたと言ってよいでしょう。

SIMフリーモデルの価格の104,800円(税込)というのがとにかく悪目立ちして一人歩きしている感がありますが、バルミューダにとってノウハウのない製品である事と、「予想以上に開発費がかかった」という釈明もありましたので初めての製品投入としては仕方のない点もある事から、デザイン料やブランド料という批判は甘んじて受けるとしてもスマートフォンを何台も作ってきたメーカーの製品と同じ基準で比較するべきではないと思います。

開封の儀【まるでスイーツのパッケージ】

基本スペックをおさらいした所で、さっそく開封していきましょう。

パッケージは高級百貨店で購入できる女性へのプレゼントにピッタリなお菓子が入ってそうな大きさです。

中身を抜いてチョコレートアソートなどと差し替えてもバレにくい仕様です。

最初に言っておきますが、ACアダプタとUSBケーブルは別売りとなっておりますのでUSB Type-Cが搭載されたスマートフォンを初めて使う方は要注意です。

蓋を開けると「BALMUDA Phone」と印字されポップなストライプが2本入ったスリーブが現れます。

パッケージの大きさと言い、こういった内装といい特別感を出す仕掛け自体は嫌いじゃないです。

スリーブの中身はクイックガイドに加え、SIMピンや簡易的な説明書が入っていました。

SIMピンが取り付けられている箇所はちょうど本体のSIMトレイの位置なので親切設計というやつです。

そしてスリーブを取り除き、包装紙を外すとまるで焼菓子のようにシールで留められた緩衝材に包まれた本体が鎮座していました。

前評判の悪さに反してこだわりが感じられるパッケージデザインは素直に評価したいと思います。

外観・デザインについて

包装を外すといよいよ本体がお目見えです。

背面はザラザラした加工が施され、指紋認証センサー・スピーカー・フラッシュ・カメラ・通知LEDがあります。

通知LEDが搭載されているのはBlackberry端末くらいしか思いつきませんが、昨今のスマートフォンにはあまり採用されていないイメージなので珍しい特徴です。

本体背面中央あたりには社長がデザインしたバルミューダロゴの刻印が施されちょっとした特別感がありますが、ボディは樹脂素材である為、高級感はあまり感じません。

樹脂素材で構成されているから質が低いとは一概には言えないと思いますが、メリットとして重量138gと本体重量の軽量化に貢献しています。

持っていて疲れにくく、片手持ちが全然苦になりません。

ただ、直近で所有していたiPhone12 miniは133gでアルミ素材ですから技術的な格差を感じざるを得ません。

正直、自分はUnihertz Jelly2のような小型端末感よりもBALMUDA Phoneの小型感が好みです。

左手なら持ちやすい、右手でもとりあえずOK

BALMUDA Phoneの外見の特徴の一つである「滑らかにラウンドした背面の形状デザイン」ですが、片手で持った時に感じるしっかりとしたホールド感と持ちやすさは独特です。

しかし、いろんなところでこの背面デザインは2009年に世界を衝撃の渦に巻き込んだAppleの「iPhone3GS」と酷似だ、と揶揄されています。

個人的には「iPhone3GS」が発売された頃は学生だったので酷似しているというイメージは抱いていません。

っていうか実際触るとiPhone3GSと全然違いますけどね…なのでそういう指摘は参考にならないと思います。

水平から見るとこういう感じに丸みを帯びた形状になっています。

正直「iPhone3GS」より丸みを帯びているように感じますが、それがかえって新鮮で如何に我々がスマートフォンの形状の常識として「1枚板こそ至高」を盲目的に信じさせられていたかを感じました。

約10年前の2011年前後にAndroid OS黎明期に国内メーカーによる意欲的なデザインの端末が数多くあった事を彷彿とさせるのです。
(ソニーエリクソン時代のXperia・NECカシオのMedias・東芝のREGZA Phoneなどなど…)

本機はそんなノスタルジアを感じさせながら2021年にトリップしてきたような雰囲気を感じさせます。

指紋認証センサーも端末を左手で持った時、自然と左手人差し指が配置される部分にあってロック解除は非常にスムーズです。

右手持ちでもできなくはありませんが、人差し指を右側に動かすのでちょっとやりにくさを感じる事があります。

認証用の指紋の登録に少し工夫が必要なのと指紋認証センサーは電源ボタンを兼ねているのでロック解除の際に押し込む必要がある点は惜しい。

ボリューム調整ボタンはあるので電源ボタンは別にして、画面オフ状態からでも押し込む事なくセンサーに指を当てればロック解除できるようにすれば評価できたかも。

ただ、他社に比べてサイズが大きく感じるパンチホールカメラはいっそのこと無くしてもよかったのではないかと思います。

フロントカメラのないスマートフォンも昨今は珍しくもないですし、コンセプトとしてはその方が思いきりがあって良かったのではないでしょうか。

また、写真では画面を上にしていますが、通知LEDがあるのでこれは画面を伏せて背面が上になるよう置くのが普通だと思います。

「背面がラウンドしているから机等に置いた状態で操作できない」という批判を見た気がしますが、スマートフォンから手を離して作業中とかの状況だとしてもそれはスマートフォンに完全に意識を奪われて作業に集中できていない証拠なので個人的にその批判には首を傾げざるを得ませんでした。

デザイン・外観面の評価

デザイン・外観面について評価します。

デザイン面は悪くなく、バルミューダが考えそうなデザインとしては予想通りともいえる外観です。

バルミューダの白物家電のように「体験やストーリー」ではなくカタログスペックで評価される事の多いスマートフォンにおいて手触りやデザインをここまで詰めたのは単純に評価できます。

「どこかで見たようなつまらない一枚板」はもう見飽きているのでこれくらいやってくれた方が個人的に気持ちがいいとは思います。

本体自体はコンパクトにまとまっているので「デカくて重い端末」にウンザリしている自分にとっては好感が持てますが、既に言及したようにパンチホールカメラや電源ボタンなど「まだまだ拘れるだろう」と言わざるを得ない点があるところが残念だと思います。

そういう思い切りがスマートフォン業界では「個性」となりうる事が多く、「とりあえず無いとマズいと思うので無理やりやりました」はコンセプトを揺るがす原因となるのでそこは尖っておくべきでした。

ただ、Android市場を全くリサーチしていないのではないかといえるほどマーケットとユーザー分析に疑問を残す事になった内部性能の仕様はこの後評価しますが、正直擁護はできないでしょう。

特徴的なホーム画面とオリジナルアプリ

続いて大々的にアピールされたホーム画面とカスタマイズされたアプリを見ていきます。

アプリ(カメラ含む)については継続的に使ってみて個別に記事にしてみても面白いかなと思いますので、主な機能の紹介程度にさせていただきます。

パターンカスタムが可能なホーム画面

特徴的なホーム画面は画面にイニシャル・日付・天気・所有者情報・電話番号などを明記するオプションのほか、背景やショートカットとして機能するストライプの色や向きをパターンからカスタマイズできるようになっています。

所有者情報などは設定画面で表示する・しないを自由に設定できるので所有者にニックネームなどを設定したり、プライバシーを重視して表示しないという事も可能です。

ストライプはアプリショートカットやアクションを登録する事ができ、最大2アクションまで登録が可能です。

これは一見便利に見えてストライプを動かすのにコツがいるので最初のうちはなかなか苦労します。

また、Blackberry端末やUnihertz Titan(Titan Pocket)などの物理キーボード端末を使ってきた身からするとキーボードショートカットは比較にならないほどのショートカットをキーに設定できたので若干物足りなさを感じるのが正直なところ。

自分は下ストライプ(右方向)を「電卓アプリ起動」、上ストライプ(左方向)を「カメラアプリ起動」にして仕事中に電卓をすぐ出せるようにしてます。

カメラはメモアプリ用の写真を撮る為ですが、ホーム画面の使いやすい位置にアプリを置いてしまってそこから起動してしまう事もあるのでメリットとして評価できるかどうかは難しいです。

ホーム画面の設定は「設定アプリ」内に内包されており、「ホーム、ロックの設定」という部分から変更できます。

また、画面をスワイプする事で次のホームウィンドウではなく電卓や時計といったオリジナルアプリに直接遷移できる機能もありますが、常に表示する必要がない場合はオフにする事で、通常のAndroid OSのように複数のホーム画面を使用する事も可能です。

また、着信音や通知音も特徴的で、オリジナルのものが多くプリインストールされています。

どれも都会的で優雅な雰囲気を感じさせるメロディーですが、こちとら郊外&地方住みなのでギャップを感じざるを得ませんでした。

ただ、端末本体のスピーカーがモノラルなのでせっかくのオリジナル着信音を十分に楽しめない所はちょっと損してる気がしてなりません。

見やすい範囲に変えられる【スケジューラ】アプリ

まずはスケジューラアプリです。

横軸が時間帯、縦軸が日付になっておりピンチイン・アウトの動作(2本の指で伸ばしたり縮めたりする動作)で動作1回ごとにタイムラインの単位(時間詳細~日・週・月・年)を変えてスケジュールを確認する事ができるようになっています。

当日にすぐに戻れるアイコンがあったり、最大限まで拡大すると縦軸が時間帯に変わって分単位のスケジュールに変えられたり左の日付部分に位置情報と連携させる事で天気を表示させたりと痒い所に手が届く仕様になっています。

Googleカレンダーから予定表をインポートできるのでGoogleカレンダーからの移行はスムーズに行えますがサードパーティ製のカレンダーアプリには非対応のようです。

俯瞰視点のリストが新鮮な【メモ】アプリ

続いてメモアプリについて紹介します。

通常のメモアプリにありがちなリスト型とは違い、俯瞰するような視点で確認できるレイアウトのメモアプリです。

写真をメモ内に貼り付けたりするとその写真が表示されメモが探しやすくなるほか、スケジューラと同じくピンチイン・アウトの動作でさらに多くのメモを表示させて広範囲が探せるようになっています。

メモ同士の順番や場所をドラッグ&ドロップ操作で入れ替えたり移動したりできるので、優先順位に応じて編集する事も可能です。

このアプリも1個や2個のメモを作っただけでは評価しにくいので、継続的に使ってメモを順当に増やしていきながら個別に評価してみたいと思います。

弱点多し。【ウォッチ】アプリ

次は「ウォッチ」アプリを紹介します。

アナログ時計のようなデザインでタイマーやアラーム機能などの基本的な要素が内包されています。

正直これはデザインを重視しすぎてアラームのリストの最大数が3つまでだったり、平日は6:30のアラーム、土日は8:00のアラームというように曜日別にアラームを切り替えたりできない等、痛い弱点が多いです。

アップデートで修正が欲しい箇所の一つですが、「土曜日の朝位少し寝かせてくれ…」という甘えをBALMUDA Phoneは許してくれないようです。(アラーム事前に切り忘れで既に2敗)

為替両替表示が最大のキモ。【計算機】アプリ

次は響く人には響く「計算機」アプリです。

ニュースサイトやSNSでは億万表示のイメージが先走り過ぎてて笑われてる印象が強いですが、自分はこの「計算機」アプリにかなり助けられています。

それは「リアルタイムに為替を更新しながら両替計算ができる」という特徴があるからです。

自分は今の仕事の関係で海外から製品や部品・原料などを買い付ける事があるため、今までは書面またはメールで現地通貨で表示された見積書を処理する際、経理部門に通貨ごとのレートを確認して両替計算を行って概算や買付予算を算出していました。

また、昨今は輸送費や原材料の値上げが激しく頻繁に価格が変動する事から、たかが概算でも買付予算を稟議にかけるだけでもスピード勝負なので最近は普通の電卓よりもBALMUDA Phoneで計算してます。

億万表示については「000」ごとにカンマで分けられた数字を見る事に慣れていない人向けだと思います。

損益計算書などの決算資料や事業報告書などで出てくる損益分岐点の算出資料とかは数字が小さく密集している事が多いので疲れていたりして見にくい際に活用するといいかもしれませんね。

今後の努力次第。【カメラ】アプリ

最後は今話題のカメラアプリです。

BALMUDA Phone自体はシングルカメラかつAIの撮影シーン判定や自動補正など昨今当たり前のように搭載されている機能はありませんが、「料理モード」「人物モード」「夜景モード」といった手動で状況に応じた撮影モードに切り替える事で、色温度や補正が施された写真を撮る事が可能です。

画面には最低限の設定とシャッターボタンのみというシンプルなインターフェースが採用されているので操作で迷う事はないのかもしれませんが、調整が甘い点が多くアップデートで画質が悪化してしまう例があったりして今後の継続的なアップデートによって何とか使える性能にはなってほしい所です。

カメラ性能については修正のアップデートを確認したら作例の収集もかねて個別の記事にてあらためてレビューしてみたいと思います。

今後、独自アプリの追加があるかも?

これはちょっと興味深いポイントなのですが、アプリガイドの最後のページに「新しいアプリのお知らせをうけとる」という文言が表記されたニュースレター登録画面が出てきます。

これがあるという事は今後、新しいアプリや専用のアクセサリー等がリリースされるかもしれません。

バルミューダもせっかくスマートフォンを販売するのですから、購入した顧客に対してカスタマーロイヤリティを重視した方がいいと思います。

実店舗もあるので、青山の店舗でユーザー交流会や製造番号等と紐付けてユーザー限定イベントをやった方がより盛り上がるのではないでしょうか。

今後「BALMUDA Technologies」としてソフトウェアには継続的な投資が必要になってくるでしょうから、期待したいところです。

ソフトウェア面についての評価

ソフトウェア面についてはまず性能面から評価しましょう。

メインチップセットである「Snapdragon 765(5G)」は2019年末に発表されたもので決して最新のものではありません。

ミドル帯の普及モデルのチップセットなので、価格に対して性能が重視されたモデルではない事は紛れもない事実です。

だからと言って動きが遅いとかアプリが動かないとかそういう不満はそこまで顕著ではなく、不満を感じる点と言えばゲームアプリや長時間の動画視聴くらいでしょう。

逆に「所詮ミドルクラスの性能」だからこそ余計に価格とのバランスが悪目立ちしすぎています。

事実、現在市場のメインストリームとして君臨しているスマートフォンは殆どがハイエンド級の性能となっている一方で、性能に対しての価格は下落傾向にあります。

中国をはじめとした海外端末は性能競争と価格競争というお互いに矛盾する競争の中でしのぎを削っており、そこに国産のスマートフォンが入る余地があるかと訊かれれば首を横に振らざるを得ないでしょう。

つまり性能競争と価格競争に参入するだけ赤字を垂れ流すだけに終わる可能性が高く、バルミューダとしてはそこに飛び込む事だけは避けたいと思ったはずです。

オリジナルアプリを作ったのはバルミューダお家芸の「体験」をアピールする手段の一つだと思いますが、正直性能とコスパがとにかくルールのように重視されるこの業界でこのルールに従わずに製品を開発する事に対する理解をユーザーに求めるには時間がかかるので、参入した以上は粘り強く事業として続けていく必要があります。

正直ここまできたからにはカスタマー・ロイヤリティを高めるため、所有者限定イベントや限定アクセサリー・限定アプリの提供等継続的な努力をバルミューダがどこまでできるかが今後の明暗を分ける事になるでしょう。

【総評1】「UNIQLO化」したiPhone

今の時代、もはやなくてはならない存在となったスマートフォンは大画面・高性能・高価格に歯止めがかからず、適正な性能と価格の落としどころの判断がつかなくなりつつあります。

俯瞰してみればAndroidが性能を追求し、Appleは表面上は競争しつつ性能とブランドの両立へ舵を切り始めています。

最近では個人的に「iPhoneはUNIQLO化した(もしくはしつつある)」と考えるようになりました。

かつてはAppleの発表会、とりわけ過去の新型iPhoneの発表には「驚きと期待」がありました。

しかし、今では驚くような機能や活用法は出てこず、性能とバッテリーとカメラだけが改良されていくのみです。

価格においてもAndroidのハイエンド端末が10万円以上、高級ラインはさらに上を行く15万円級ともなるとiPhoneがそこまで高いとは感じなくなってきています。

つまりユニクロのように「期待通りの性能、カジュアル化したデザイン、それなりの価格」と新しい提案や発見、驚きがなくコモディティ化したものを見せられている感覚に陥ります。

自分自身も今のiPhoneを見て「驚きもなく、興奮もない。性能がいいだけの優等生」という感想しか抱かないでしょう。

性能が良くて、どれをとっても他のスマートフォンに引けを取らない、右を見ても左を見てもみんなが持っている。

BALMUDA Phoneのストーリーに登場する「画一的」という言葉は「UNIQLO化したiPhone」に向けられた言葉なのかもしれません。

【総評2】スマートフォンの世界は「若者の世界」

その背景を鑑みると「BALMUDA Phone」はこの「UNIQLO化したiPhone」に対して示された「一つの選択肢」と言えるでしょう。

しかし忘れてはならないのが今のスマートフォン市場のメインユーザーは「若者」です。

つまりスマートフォンの世界は圧倒的に「若者の為の世界」なのです。

若者はスマートフォンの性能を限りなく活かし、様々なコンテンツを作ったり発信をしたり使い方を生み出していきます。

そう、スマートフォンメーカーが考えている範疇のさらに上をいくほどに。

このようにスマートフォンの市場やそれによって構築される世界を「若者の為のもの」と仮定すると、今回「BALMUDA Phone」が痛烈な批判にさらされたことも合点がいくと個人的に考えています。

なぜなら若者達は常に「スマートフォンで何ができるか、できるようになるか、できるようになっていくか」を追求し続けており、それを追求し続ける限りスマートフォンに求められるのはスペックと価格であるからです。

そこに背を向けるように登場してしまった「BALMUDA Phone」はまさに「(ある程度の)余裕と嗜好を併せ持つ大人の為のスマートフォン」として映り、結果市場のターゲットである大多数の若者から批判の的となった…と考えればこれまでの顛末も説明できるのではないでしょうか。

【総評3】「情弱端末」という揶揄に対する疑問

SNS上やガジェット系Youtuberは「BALMUDA Phone」を情報を収集・判断する能力に乏しい「情報弱者(情弱)が買う端末」と揶揄しています。

性能や価格、ストーリーに対する批判や評価の低さは賛同せざるを得ない部分があるにしても、こういった表現を用いる事に対しては疑問に感じます。

情報弱者という表現を安易に用いてしまう人々のモラルの低さには失望と辟易しかないという残念な気持ちはさておき、果たして情報を収集・判断する能力に乏しい人々が「BALMUDA Phone」を選ぶ、もしくは選ばされるのでしょうか?

自分はかつて家電量販店の販売員をしていた経歴があり、もちろん携帯電話の契約や販売もしていました。

当時は全てのキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)でiPhoneの取り扱いが本格化し、どのキャリアを契約していてもiPhoneを入手する事が出来ました。

SIMフリー端末は海外製スマートフォンをはじめ、やっと普及し始めたくらいでしたのでとにかく新規契約にしろ機種変更にしろiPhoneが大多数を占めていました。

接客の過程で「なぜiPhoneなのか?」と尋ねる事もあり、学生などの若年層から高齢者まで多くのお客さんの契約を行ってきましたが、他のAndroid OSのスマートフォンなどには目もくれず皆iPhoneを希望するのです。

おおよそiPhoneを他の機種とじっくり比較したり、スペックにこだわりがあったりするわけではなく「友達がiPhoneだから」「iPhone以外だと仲間外れにされそうだから」「孫や息子(娘)夫婦に操作を教えてもらえるから」「みんなが持っているから」という理由が殆どで内心ビックリしていた記憶が鮮明に残っています。

年齢層に関わらず上記のような理由がiPhoneを選択する決め手になる方々は「情報を収集・判断する能力に長けていない人々」のグループ、SNS上やYoutuberが声高に叫んでいる「情報弱者」に属してしまいます。

そう考えるとiPhoneがこれだけ市場のシェアの大多数を占めている理由は「機能や性能で選ばれているわけではない」と定義できてしまい、上記のような理由で選んでいる人が多くを占めるiPhoneが「情報弱者が買う端末」という事になってしまいませんか。

自分はiPhoneが「情報弱者向け端末」だとは思いませんが、BALMUDA Phoneを「情報弱者しか買わない、選んでしまう端末」とこき下ろした瞬間に同時に情報弱者を抱える数が多いトップシェアのiPhoneですら「情報弱者が感情的な理由で選んでしまう端末」と決めつけてしまう事になるのではないかと個人的に考えます。

暴論に聞こえるかもしれませんが、安易にそういう激しい言葉や表現を使うというのはそういう極論を招来する事に繋がります。

結局、安易に「情報弱者向け端末」だとか「バカしか買わない」だとか決めつけること自体がナンセンスなのです。

今回のBALMUDA Phoneに対する批判(というかほぼ誹謗中傷)を見ていて今後スマートフォンのレビューなどの際は安易にこのような表現は使わないようにしなければ、とより強く思いました。

【総評4】BALMUDA Phoneが合うのはどんな人?

まず大前提として「BALMUDA Phone」が生み出される過程においてAndroid端末が作り出すスマートフォン市場の動向があまり考慮されなかった可能性が高いという事は考慮したいところ。

なのでポジティブに言えばゲーム機として求められる性能の向上とカメラが磨かれていくだけのスマートフォン市場に疑問を投げかける「新たな選択肢」と言えるでしょうし、否定的に捉えればカオスともいえるスマートフォン市場において「拾おうと思えば拾えるニーズを拾っていかない市場感覚から限りなく逸脱したスマートフォン」という事もできるでしょう。

寺尾社長のように一蹴するとしたら「とにかくわかりにくいが価格だけはいっちょまえ」とこき下ろす事もできてしまう、評価が極端な端末と言えます。

では「BALMUDA Phone」が合うのはどんな層の人々なのでしょうか。

まず「BALMUDA Phone」を使う以上はありとあらゆる「スマートフォンの中で起こる出来事」からある程度卒業している必要があるのは「BALMUDA Phone」のストーリーでも言及されていた事です。

四六時中SNSにかじりついていたり、ゲームアプリで日が暮れるまで遊ぶといった「画面を凝視する時間」を減らさなければなりません。

SNSの通知で一喜一憂したり、寝床に端末を持ち込んで動画を延々と見たりするような習慣から抜け出す必要があります。

なのでスマートフォンに生活の大半をコントロールされる部分が多い層であるほど、「BALMUDA Phone」は十分に役割を果たせず、そういったユーザーには受け入れられないものとなります。

個人的にはBALMUDA Phoneが合うと思われるのは自身のライフスタイルがほぼ完全に確立された「能動的に動ける大人向け」と考えています。

具体的には、モーニングルーティーンや仕事の予定、余暇の過ごし方、休日の予定などライフスタイルが確立していてスマートフォンに生活をコントロールされるのではなく、自身のライフスタイルを実現するためにスマートフォンをコントロールする層といったところでしょうか。

つまり、スマートフォンに求める事と自宅または自身が使う他の家電や周辺機器に与える役割をしっかりと区別できる年代の方々と言えそうです。

若い時は誰もがお金や時間に余裕が持てるわけではありませんが、定職についてある程度の年収があり、オンとオフの区別がしっかりできるようになってくる年齢層だとすると30代に入る頃かもしれません。

例を挙げるなら職場から帰宅して夕食を食べながら音質の良いBluetoothスピーカーで音楽を聴いたり、大画面テレビやプロジェクターで配信サービスやYoutube等の動画を楽しみながら過ごす雨の日の休日だったり…というような「必要に応じて最適、もしくは効果の高い環境やツールを選択する事ができる」人が当てはまるのではないでしょうか。

または個人的に複数台運用時の「仕事用端末」として使うなら問題ないと評価します。

プライベート用の端末とキッパリと切り分けて使い、スケジュールは共用でオンとオフを管理する…という使い方ならより幅広い層が対象となるかもしれません。

仕事のシーンならば端末を使うシーンや時間は限られ、自分でコントロールできる範囲も大きいので「BALMUDA Phone」は大いに活躍するでしょう。

逆に言えば「BALMUDA Phone」がオンでもオフでも合致するという層はかなり極端なニッチ層であり、そこを主軸に語るべき端末ではないと今回の記事を書いていて思いました。

ただ、バルミューダにはBALMUDA Phoneに対しては長い目で顧客又は顧客候補をケアする必要があり、ロイヤリティを育てる努力は怠らない事が重要でしょう。

自分も購入した以上は使い方を模索しながら活用していきたいと思いますが、国内メーカーには頑張ってもらいたいので「BALMUDA Technologies」の今後の活躍に期待したいところです。

快適に使う為に一緒に購入したもの

今回「BALMUDA Phone」を使うにあたって快適に使おうと考えていたので以下の周辺機器も購入しました。

どれも便利さが光る周辺機器ですので是非試してみてください。

カバーとワンタッチ充電の一石二鳥!


マグネット着脱式の充電ケーブルです。
普段、埃の侵入を防ぐ為に端子カバーを装着しているのですが、これがあればカバーの役割も果たすうえに充電する際はくっつけるだけなので快適です。

端末も周辺機器もオシャレに収納!


端末を見せびらかすのに最適なハンモック型の収納ラックです。
職場のデスクに置いて周辺機器と一緒に端末を収納するのに使っています。

ワイヤレス充電機能搭載モバイルバッテリー


Anker製のワイヤレス充電機能搭載のモバイルバッテリーです。
サブとしての運用でもなんだかんだ「BALMUDA Phone」の操作性が良くてガシガシ使ってしまうのでいざという時の為に購入しました。
手近な充電環境がない時にも活躍できるので必ず1台は用意しておきましょう。

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