-深圳へエンジニアリングサンプルを求めて。-
皆さん、こんにちは。
どうやら彼らのエンジニアリングサンプルを入手するための深圳への旅が終わったようです。
彼らの拠点があるロサンゼルスから深圳まで約11,636km(約7200マイル)と「母を訪ねて3千里」にはちょっと足りませんが、そんなことは置いといてエンジニアリングサンプルが完成し、無事ロサンゼルスへ帰国できたようです。
なのでもう少しすればエンジニアリングサンプルのハンズオン動画が公開されると思いますが、進捗記事を一旦更新したいと思います。
端末本体の素材をチェック
オーナーがX(Twitter)にアップした写真では如何にも深圳らしい事務所内の様子やディスプレイパネルを選定するオーナーの姿が確認できます。
背面パネルの素材を選定する様子の写真では、選定する際にサンプルとして提示された数々のスマートフォンの背面パネルには何やら見覚えのあるデザインのパネルが何枚かありますね。
これらの写真だけでもこの深圳に拠点を置く製造パートナーは様々なメーカーからスマートフォンの製造を依頼されている手練れのメーカーである可能性が垣間見えます。
金型の写真も公開。
続いて射出成型機用の金型も公開されました。
意外と「これが金型?大きくない?」と思う方は多いんじゃないかと思います。
射出成型機用の金型はプラスチックの樹脂が解けた状態で金型に入り、強い圧力と温度調節で成型するためのものなので、成型サイズがたとえ小さくても圧力や温度調節を正しく行うために金型は大型化します。
ただ、これだけの金型だと金属切削なのかレーザー切削なのかはわかりませんが、1,000台1ロットくらい(少なくとも500?)を見込んでいると思われ、オーナーによると2バッチ目の生産の計画に入っている所から見るとシビアかもしれません。
量産体制についてはスケジュール通り?
現状、金型が完成し部品の選定も決着がついたところで、にこやかな写真がオーナーによりアップされましたが、これからいよいよエンジニアリングサンプルのアッセンブリ作業というところでしょう。
途中、素材の選定として数日費やしていたようですが端末の本体を構成する素材に指紋がつきにくいものを選定したそうです。
筐体のデザインや仕様がはっきりしてきたので課題はソフトウェア部分に移っていきます。
カスタムOSデザインはArmen氏が主導
サンプルの筐体が出来上がってきたところでオーナーであるAndre氏はOED Technology社の製品展示スペースにMinimal Phoneのサンプルを飾った写真を投稿していましたが、この写真によってE-inkディスプレイがOED Technology社から供給されている事がほぼ明らかになったといえます。
OED Technology社はロシア発の端末背面に電子ペーパーディスプレイを採用したスマートフォン「Yota Phone」にディスプレイを供給したとする実績があり、スマートフォン以外にも電子ペーパーディスプレイを数多く供給しているメーカーの一つです。
正確にはE-inkディスプレイというと特定の商品を指し、E-inkという大手メーカーが製造した電子ペーパーディスプレイを指すようです。
オーナーはDiscordにてE-ink社製ディスプレイを検討したが、要求ロット数のハードルを越えられず交渉を断念したとする事を示唆する投稿をしており、その過程でOED Technology社に白羽の矢が立ったと理解するのが正しいと思います。
ディスプレイの仕様が決定したことで、肝心のソフトウェア部分のデザインをデザイナーであり共同創業者でもあるArmen氏が担うことになりました。
この時点ではリファレンス用のデモOSパッケージがブートされているとコメントしたうえでディスプレイの調整も含めて今後進めていくとしています。
エンジニアリングサンプルを回収し、帰国の途へ。
そしてつい先日、Discordに「パッケージ」を回収したとの投稿を行ったオーナーのAndre氏。
添付された写真にはカラーバリエーションとして提示されたカラーのMinimal Phoneが並んでいました。
これがエンジニアリングサンプルであり、これらを使ってソフトウェア部分の制作や動作検証等が行われるものと思われます。
デザイナーのArmen氏によると最終の量産開始段階の際に再度深圳を訪問するとの事ですが、ソフトウェアやディスプレイの調整に数週間必要とする投稿もあり、スケジュールが早まる事はないと思われます。
いずれにせよ、現実感が出てきている事には違いないので、製品化に漕ぎつけたいものです。
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