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-ぼくのいぼ痔治療記【第5回】-

-手術の不安、そして術後の痛みと苦しい時間が始まる。-

大腸内視鏡検査の翌日、4月8日。

遂に手術日当日になった。

もう全てを受け入れるしかない。

昨日の夜に手術の後に行う点滴のチューブが左手の手首付近に装着された。

新型コロナウイルスのワクチンはそこまで痛くなかったのに点滴の針は思わず顔をしかめてしまうほど痛かった。

手術は午前中から始まる。

自分と同じ部屋に入院していた患者さんが先に呼ばれる。

4床室なので看護師の方や執刀医とのやり取りは筒抜けである。

だがここは総合病院などではなく大腸・肛門科を専門とする病院である。

何を恥じらう事があろうか、しかし初めての手術なので緊張しないわけがない。

手術着に着替え、しばらく待つと名前を呼ばれ手術室に向かった。

腰椎麻酔で下半身の感覚がなくなる

4階の手術病棟にエレベータで移動し、手術室に入るまでは徒歩だ。

手術室の前に受付があり、手首に巻かれたタグを見せて本人確認を行う。

受付の向こうはある程度見えるようになっており、手術着を着用した看護師と医師が数人見えた。

マスクで表情は読み取れないが病院のHPの医師一覧を穴があくほど見ていたのですぐに「あれは〇〇先生だな」(医師に対して先生と呼ぶ事の是非はともかくとして)とわかった。

手術室は入った瞬間はあまり広くないな、と思ったが指示に従い手術台に横になると途端に広大な空間のように感じた。

手術は直前に腰椎麻酔で下半身の感覚をなくして行う。

病院や手術の内容により全身麻酔で行う所もあるようだ。

腰椎麻酔は腰の骨あたり(正確には脊髄を覆っている膜の下、脊髄くも膜下腔)に麻酔を注射する麻酔法で局所麻酔の1つだ。

膝を抱えるような姿勢を取って手術台に横になり、麻酔をするスタイルである。

ネット上では全く痛くないという意見と激痛だったと感想が分かれていて事前に調べてもよくわからなかった。

ただ、麻酔科の医師が行う場合と執刀医が行う場合では経験の差が大きく影響するらしいというのを聞いて、激痛だったという声には麻酔科の医師による麻酔ではなかった説が濃厚とみている。

自身が入院した「辻中病院柏の葉」では大腸を中心とした外科手術の実績が多くあるので麻酔科がある。

当然麻酔科があるのだから麻酔医が勤務している、となれば特に問題はないであろうと踏んだ。

また自分は入院前のアンケートで「麻酔時の痛みを軽減するテープを貼ってほしい」と書いた。

どうやらそういうものがあるらしいと聞きかじったうえで書いただけだが、実現したかどうかはわからない。

ただ、自分の場合は痛みを全くと言っていいほど感じなかった。

本当に痛みを軽減するテープを貼ってもらったのか、麻酔科の医師の技術がとんでもなく上手かったのかはわからないが、麻酔は何も感じないまますぐに終了した。

数分もすると腰から下が痺れてきて自分で動かせなくなってきた。

下半身に力が入らず、まるで感覚がない。

手術台に固定され、うつ伏せのまま徐々に手術台が傾斜していく。

執刀医の坪本先生が自分のお尻の前に立ち、手術開始の合図とともに手術がスタートした。

手術自体は10~15分で終了

おしりを弄られている感覚だけが伝わってくる。

痛みは全くなく、なにやら触られているような感覚をうっすら感じる程度だ。

ただ、感覚は研ぎ澄まされたようで痛みも辛さを感じなくとも「切られているな」というのははっきりわかった。

入院時の手術の説明の時には特にどれくらいの時間がかかるかは説明されなかったが、極度の緊張で時間の経過が非常に遅く感じた。

特に下半身麻酔で意識自体があるまま手術されるのだからなおさらである。

しかし、テキパキとした作業のような手術はあっけなく終了が言い渡された。

止血のためのガーゼを患部にあてがわれ、執刀医の坪本先生は手術室にあるパソコンを操作し始めた。

看護師の方に「摘出されたヤツ(いぼ痔)見ますか?」と訊かれたが、到底そんな気分ではなかった。

まじまじと自分で見た事もなかったので最後の最後までアイツ(いぼ痔)とは目を合わせることなくお別れした。

自分で動かそうとしても全く動かない下半身を持ち上げられ、ストレッチャーに移された。

手術後は麻酔で動けないため、体験記によると尿管を挿入されるそうだが自分の場合は紙おむつだった。

手術室から運ばれるときに手術室の時計が目に入った。

入る時の時刻をよく覚えていたので出る時に視界に入った時計を見て驚きを隠せなかった。

手術室に入ってからたった10~15分しか経っていなかったからである。

坪本先生が手術室から出てきて話しかけてきた。

「好発部位3箇所のうち、手術が必要なのは2箇所でした。残り1箇所は全然腫れてないです。」との事だった。

入院する前に何度も読み漁っていた入院・手術体験記には3箇所手術している人がとにかく多かったので自分も3箇所手術しないとダメだと思っていた。

一つの壁を乗り越えた気がして正直少しだけ安堵した。

だが本当の試練はここからである。

麻酔が切れた後の痛みとの戦いの始まり

手術室からストレッチャーで病室まで帰ってくると、看護師からしばらく(3~4時間位)は頭を動かさないよう告げられる。

どうやら下半身麻酔の影響で不必要に頭や体を動かしたり、起き上がったりすると激しい頭痛を起こす事があるからだそう。

もちろん手術した箇所以外に痛みに悩まされるのは嫌なのでおとなしくしていた。

おとなしくしていたといっても下半身麻酔で全く下半身の感覚がなく、触っても他人の体に触れているかのような印象で不安感が拭えず、何もする気が起きなかった。

また、スマートフォンや読書などもやめた方がいいとの事だったので病室に戻ってからはずっと天井を眺める時間が続いた。

やがて3時間ほど経ち、多少頭を動かせるようになると麻酔が切れてきたのか、足の指をかろうじて動かせるようになってきた。

午後、痛みを感じ始めた頃に痛み止めの処方があった。

頭痛でおなじみの「ロキソプロフェン」である。

この日まで絶食なので併用して胃粘膜を保護する薬も一緒に処方された。

決まった時間に服用するよう指示されたが、どうしても我慢できなくなったら飲む、という方法でも問題ないらしい。

ただし、1度服用したら4時間は空けないといけないとの事だった。

時間が経過するにつれ少しづつ足が動かせるようになってきたが、遂にだんだんと「術後の痛み」が襲ってくるようになった。

最初はジンジンとうずくような痛み、時々チクチクしたりヒリヒリするような痛みが時間経過とともに大きくなっていった。

その痛みは苦しみに耐える長い日々が始まる事を予感させていた。

入院中はアーム型スタンドに幾度となく助けられた

入院中は外出したりする事はできず、ひたすら病棟内で過ごすよう徹底されます。

しかも手術後の傷でスタスタ歩く事もままならない状態では病室のベッドで横たわっている事も多くなります。

そんなときの暇つぶしとしてスマートフォンを弄るのですが、配信サービスを利用して映画を観たり電子書籍を読んだりする時に手に持っていると寝ていても辛くなります。

そんな時に役立ったのがアーム型スタンドでした。

ベッドサイドの机にスタンドを固定し、ベッドの自分の顔の手前までアームを伸ばせば快適にスマートフォンを操作する事ができます。

ゲームアプリのように頻繁にタッチしたり画面を動かす必要のある時には不向きですが、視聴だけであればこれに端末を固定すれば快適な視聴環境を作り出せます。

退院後は撮影時に固定する為のカメラアームになっています。

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