-街歩きでも妥協しない勝負イヤフォンを手に入れよう-

      2019/04/02

-生まれ変わったB&O PLAYの「EARSET」でオシャレに街を歩こう-

皆さん、こんにちは。
最近はちょっと欲しいものが多くなりすぎてお金の配分が難しい今日この頃でございます。
しょうがないね、待ちに待った夏季賞与の季節ですもの。

この時期になると、様々な業界の企業が続々と新製品を投入してきており、家電量販店の販売員を経験していた身としてはこの「商戦期の士気高ぶる感覚」には戦いの前にした兵士のような武者震いを禁じ得ないのであります。

新製品なんてものは待っていればどんどん出てくるのではありますが、家電量販店側の視点から言わせてもらうと、大型商戦期(所謂ボーナス商戦・クリスマス商戦・年末商戦)においては連休や季節の変わり目などにちょっとした規模で行われる商戦とは違い、各メーカーはマイナーチェンジモデルや改良版のような製品群ではなく、メーカーを象徴するブランドの本気の新商品、つまりは真打を投入してくる傾向が高いのです。

各メーカーの中でもトップセールスを駆けるブランドや製品ジャンルが一斉に揃い、量販店側もいつもは各店で常連や上顧客の相手をしているトップ販売員や名物販売員を旗艦店に集結、展開させる様はオールスターゲームさながらなのであります。(野球に興味はないのですが…)

とまぁ、そんなくだらない話は置いといて…せっかくの商戦期ですから、面白い商品はないかな~…といろんなメーカーの新商品を見て回っていたら、デンマークの高級オーディオ機器メーカー「Bang & Olufsen」のカジュアルラインである「B & O PLAY」からとてもアイコニックな商品が出ているじゃあありませんか。
という事で、Bang & Olufsen赤坂店で試聴をしてきましたので、レビュー記事を掲載致します。

本当は買いたかったのだけれど、ホワイトカラーが6月に出ると聞いて試聴した日に決められませんでした。

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映画等にも採用されている特徴的なデザイン

レビューに入る前にまず、Bang & Olufsenの製品デザインについてちょっとお話しします。
Bang & Olufsenの製品のデザインはどれも特徴的なものが多い
ですが、実はその特徴的なデザインは映画やドラマなどにも採用実績があります。

見出しの画像はその中の一例で、皆さんもご存じ2002年公開の近未来SF映画「マイノリティ・リポート」の1シーンです。
少々見づらいかもしれませんが、採用されているのはBang & Olufsenの「Earset」というイヤホンのハウジング部分なのです。
これはもともと有線タイプのイヤホンだったのですが、劇中では「超小型のウェアラブル電話機」という設定になっており、本来の製品ではハウジング部分の下部からイヤホンケーブルが伸びているのですが、まるまるカットされています。

しかし、コアなファンはこの1シーンで気づいてしまうほど、この「Earset」のデザインは特徴的なものなのです。
この製品デザインはアナース・ハーマンセン(Anders Hermansen)というインダストリアル・デザイナーが手掛け、彼はBang & Olufsenのアイコニックデザインを多く生み出してきました。

今回レビューするBluetooth版「Earset」ではかつて有線イヤホンだった「Earset」のデザインの多くを引き継いでいます。
名前こそ同じですが、個人としては「デザインの多くを引き継ぎ、最新型の機能をもってリバイバルされた」ような感覚を持っています。

インナーイヤー型+耳掛けという特殊な立ち位置

さて、ここからが本題です。
今でこそイヤホンの種類は多岐にわたり様々な製品が存在しますが、今回レビューするこの「Earset」は最近では珍しい「インナーイヤー型」のイヤホンです。
そして写真からもわかる通り、この製品を特徴的なデザインたらしめているのはハウジング部分にある「大きな耳掛けフック」です。

このフック部分はギミックが大変特殊でただフックがついているだけでなく、可動範囲が物凄く広い事が特徴です。

通常の耳掛け型のイヤホンは装着の順番としてフック部分を耳に掛けてから、イヤホンのハウジング部を耳に入れたり合わせますが、この「Earset」は順番がほぼ逆ハウジング部を耳に合わせてからフック部分を可動ギミックを使って調節して装着します。

その為、可動部分はフックの根元部分(軸)が上下にまるで油圧ポンプのようにゆっくりと可動し、フックそのものは展開して耳の大きさに合わせられます。
そして上下に動く可動部分が左右にも可動するため、耳のサイズに合わせて耳掛け部分を交換したりする事なく、調節が可能なのです。

カナル型(耳栓型)のイヤホンならまだしも、インナーイヤー型のイヤホンでここまで耳掛け部分の可動範囲が広い製品を自分は他には知りません。
(自分もオーディオマニアではないので、全ての商品を知っているわけではありませんから存在はするかもしれませんが…)

”街歩き”と評したのはタイプとその音質から

自分がこの製品を”街歩きでも妥協しない勝負イヤホン”と銘打ったのにはいくつかの理由があります。

街歩きと一口に言っても様々なイヤホンが当てはまると思います。
それらの様々なイヤホンと比較してこう評価したのは間違いありませんが、現在イヤホンの大半が「カナル型イヤホン」(耳栓のように穴を塞ぐイヤホン)であるため、性能等では比較検討がしづらいのが正直な所です。
ここでは視点を変えて、「この製品が持つ特徴が街歩きに最適であるという理由」で何点か挙げたいと思います。

オールラウンドで聴ける音質

Bang & Olufsenの製品が誇る音質というのは総じて方針が決まっていて、ジャンルを限定するような味付けやチューニングが感じられないフラットに近い音質に統一されています。

特に、Bang & Olufsenのカジュアルライン「B&O PLAY」でも何種類か出ている「カナル型イヤホン」も同じようにチューニングされていますが、この「Earset」については「インナーイヤー型」であるが故にさらに低音域の主張が少なく感じられ、聴き疲れしにくく感じられます。

また、普通に聴いて物足りなく感じた時もスマートフォンから音源を取っている場合は、連携アプリである「Beoplay APP」にてある程度音質をコントロールできる事も知っておきたい。

音質をコントロールすると言えば、プレイヤーやイヤホンには当たり前の機能となっている「イコライザ」ですが、専門的な用語や音域の知識、数値的感覚を意識しなければならない事といったカジュアルには取っつきにくい印象をまだまだ受けるのが現状です。

しかし、連携アプリである「Beoplay APP」には「Tone Touch」という上記のイコライザ機能を「用語や知識を殆ど必要としない直観的な操作」でコントロールできるようにした機能が備わっており、「Tone Touch」の画面を開くと、「EXCITED」「BRIGHT」「WARM」「RELAXED」の4つのポジションやゾーンの中で本製品の立ち位置となっている白いポインタを指で操作する事で、直感的に音楽を聴きながら自分好みのポジションを探し出せるのです。
この画面においてポジションやゾーン、操作には一切の数字が表示されないので自分の感覚だけで決められます。

これらの機能や音質から、「カナル型イヤホン」にありがちな「今日はこの曲を、音楽を聴くぞ!」と集中する感じではなく、自分の膨大なコレクションやストリーミングサービスのプレイリストを流し聞きするような「ゆるい感覚」で長時間聴くスタイルに向いています。
その為、流し聞きしつつ長時間聴くスタイルというと街歩きや散歩といったような「音楽を聴く行為」に必ずしも主導権がない、あるいは主眼に置かないシーンでの活躍が大いに見込めると考えた末に導き出した評価です。

インナーイヤー型である事の利点

現在、イヤホン市場のメインストリームを押さえている「カナル型イヤホン」はもともと遮音性を高め、ハウジングから出力される音声を漏れなく耳に届けるために生まれました。
それまでは市場の大半の製品は「インナーイヤー型」であり、音質に対する味付けやチューニングといった事への差別化は余り顕著ではありませんでした。

本製品においては、「なぜ市場のメインストリームであるカナル型ではないのか」という視点ではなく、「なぜアイコニックなデザインとインナーイヤー型の過去の製品をリバイバルしたのか」という視点、つまり「インナーイヤー型である事の利点を見出す」方向を評価する事が望ましいでしょう。

インナーイヤー型の利点といえば、装着方法が何よりも先に挙がります。
「カナル型イヤホン」は音質と遮音性を担保する為に、耳の穴の中にイヤチップ部分を押し込みます。
そのような装着方法をする事で、確かに遮音性は上がり、漏れなく音声が耳に届くため、音質も保証されます。

一方、インナーイヤー型は耳の内側、ちょうど穴の前面の窪んだ位置にハウジング部分が来るように耳の中に「置き」ます。
そうなると「カナル型イヤホン」に比べて遮音性は低くなり、外に音が逃げやすくなってしまいます。
その為、音量を上げすぎると音漏れが激しくなり、周囲の迷惑になったりする事もあるでしょう。
こう聞くとまるでメリットが何もないように感じられますが、インナーイヤー型の装着方法の利点は「外部の音を取り込みやすくなる事」「聴き疲れしにくい事」「聴力低下のリスクが少ない事」なのです。

外部の音を取り込みやすくなるという点は、一見メリットに見えないかもしれませんが、現代の音楽視聴スタイルの大半が「ながら聴き」になりつつあるという事は音楽を聴く行為に100%の集中力を割かない事が前提です。
特に移動しながら、という事は部屋の中に自分しかいない状況ではなく、他人が存在します。
他人が存在するという事は、お互いが相手の行動をある程度予測できる状態にないとトラブルやアクシデントのもとになるという事です。
「相手がきちんと見ているから自分は別に外の音が聞こえなくてもいい」という考え方は大変危険で、そういった人がとる行動はほぼ予測不可能です。
そしてカナル型イヤホンは沢山の種類が出回っていますから相手も「ながら聴き」をしているかもしれません。
お互いに相手の行動を予測できず、外部の音を自ら遮断してしまっている人同士が予測不可能な行動をとれば、アクシデントが起こる確率はまさに推して知るべしでしょう。

聴き疲れしにくい事と聴力低下のリスクが少ない事はリンクしています。
カナル型のイヤホンは耳の穴に押し込む装着方法の為、常に一定の音量が耳に流れ込む構造になっています。
耳は脳と密接にリンクしていて、音の大小や遠近、方向を常に脳が神経を研ぎ澄まして認識しようとしている為、同じ方向からほぼ一定量の音が流れ込むという現象に対して脳は常に反応している状態になります。
脳が常に反応し続けるという事はそれだけエネルギーを必要とするため、耳が疲れやすくなる「聴き疲れ」が起きます。

また、一定量の音声が一定方向から流れ込む現象にだんだんと脳が慣れてきてしまい、エネルギーを節約しようと反応が鈍くなっていきます。
そうすると物足りなさを覚え、音量をさらに上げてしまい、結果聴力低下のリスクの増大につながる可能性がどんどん高くなっていきます。

こういった事に対して、インナーイヤー型は外部の音をある程度取り込める構造である事によって脳が反応する度合いにメリハリをつけて聴き疲れしにくくなったり、音漏れを防止するために音量を低く保つように意識しやすくなる事聴力低下のリスク低減につながるという結果になるのです。

こういった事からもインナーイヤー型の特徴は「ながら聴き」に適していて、街歩きのような注意力もある程度担保する必要のある行動にも音楽を聴く事ができるという可能性を見出せるという評価につながっています。

過去の製品からの改善点も

また、過去発売された製品からの改善点と評価できるポイントもあります。

イヤホンのタイプは違いますが、同じワイヤレスイヤホンの「Beoplay H5」において要改善と評されていたポイントに手が加えられています。
まずイヤホン同士を繋ぐケーブルの材質が「Beoplay H5」ではスニーカーの紐をイメージした編み込み型のシールドで覆われたケーブルでしたが、タッチノイズがひどく、「Beoplay H5」がカナル型イヤホンであったがゆえにそのタッチノイズの影響をモロに受けるという現象が起きていました。

その教訓を活かし、今回の「Earset」ではシールドがゴムの素材のみに変更されました。
もともとの有線タイプの「Earset」もゴム素材のシールドのみのケーブルだったのですが、ワイヤレス型にリバイバルするからには同系統である「Beoplay H5」の批評の声を必ず参考にしたはずでこの点はインナーイヤー型でタッチノイズの影響をカナル型ほどは受けないまでも、見過ごせない部分であった事には違いありません。

また、個人的に改善されたと評価したポイントは「充電方法」だと見ています。

「Beoplay H5」ではデザイン性重視でハウジング同士がマグネットで連結できるという点を活かして防滴技術とのシナジーにするべく「チャージングキューブへの装着」による充電方法を採用していましたが、却ってそのデザイン性が災いし、携帯性が損なわれる事につながってしまった点緊急時の充電方法に窮する点が批評ポイントとして挙がりました。
結局、チャージングキューブを持ち歩かなければ長期外出に向かないという点からイヤホンだけを気軽に持ち出せないというデメリットはスマートではありませんでした。

そのデメリットが「Earset」で改善されており、防滴ではなくなったものの、本体に「USB Type-C端子」を設け、付属のケーブルで充電できるようになっています。
この点は非常に評価できてBang & OlufsenやB&O PLAYの製品は殆どの製品に充電端子に「USB Type-C端子」を採用していて、今回もその例に漏れなかっただけだと思いますが、今や最新のラインナップをはじめ、スマートデバイスの充電端子はほとんど「USB Type-C」になっています。
その為、スマートフォンの充電ケーブルやACアダプターがそのまま流用でき、モバイルバッテリーからの充電もより直接的に行えるようになったことで、結果的に取り回しが向上した点は大いに評価できるでしょう。

このように過去の製品からの改善が図られている事からも「単なるリバイバルに過ぎない」という不安を払拭してくれるでしょう。

高級機としてのプライドに触れる逸品として評価できる

今回、赤坂店にて試聴を予約して伺いましたが、事前に曲を選んだりする事なくランダム再生やSpotifyのプレイリストの再生など、決まった曲やジャンルを意識せずに臨みました。
実は、自分がBang & Olufsen赤坂店で初めて購入した製品が今回レビューした「Earset」の有線タイプだった
ので前評判というか全くの知識ゼロではなく、どちらかというと有線タイプからどう変わったかをレビューしようと思っていたのですが、有線タイプの良さはそのままに、意外にも高いレベルでまとまっていて好印象でした。

特にインナーイヤー型の特徴を損なう事なく、ワイヤレス化しているのでカナル型の多いワイヤレスイヤホン市場にも一石を投じる製品という印象を受けます。
特にカナル型は今でこそメジャーな存在ですが、「耳の穴の中に入れる事」が苦手な方も一定数いるので、そういった方々にワイヤレスの可能性を訴えかけるいい例なのではないでしょうか。

また過去の製品の批評ポイントも改善されており、それがレベルの高さに紐づいている事からも「中途半端で安易なリバイバルではない」というBang & Olufsenのプライドのようなものを感じさせる逸品だと評価できるでしょう。

あくまで自身のレビューは1ユーザーの感想にすぎませんが、「ながら聴き」に最適でデザインもよく、街歩きでも注目を浴びそうな「妥協しない勝負イヤホン」として十分推せる製品だと思います。

参考

【快適さ重視の勝負イヤホンで街歩きに出かけよう】

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